刹那生滅せつなしょうめつの道理

 ”一日一夜をふる間に六十四億九万九千九百八十の刹那ありて、五蘊ごうんともに生滅す。しかあれども、凡夫かつて覚知せず。覚知せざるがゆえに菩提心起こさず。仏法をしらず、仏法を信ぜざるものは、刹那生滅の道理を信ぜざるなり。もし如来の正法眼蔵涅槃妙心しょうぼうげんぞうねはんみょうしんをあきらむるがごときは、かならずこの刹那生滅の道理を信ずるなり。”

『正法眼蔵』

五蘊:身と心のはたらき
菩提心ぼだいしん:仏道に目覚めようとする心
正法眼蔵涅槃妙心:玄妙深奥な悟りの境涯

 私達の身と心は無限の過去からの頂きものです。一人体の細胞の数は約40兆あるそうです。そのなかの数兆は毎日入れ替わっているそうです。言うなれば、瞬間瞬間に生じたり滅したりしていると言えます。今ここに生かされている自分の命は太古の昔から連続しているものです。一時も休まず生滅を繰り返していながら、今ここで生かされていて、この礎がそのまま未来への果報となりえるものです。

 生きても命、死んでも命という幽玄で思量を超えたところの奥深い世界を明らかにし、そして安心を得ることが仏道ということです。

”知るべし、雲谷幽深の処、

更に霊松の歳寒を歴る有るを”

『伝光録』より

2020.10.3 掲載

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